4回目の現場実習

4回目の現場実習は,6月12日から16日にかけて,紀伊水道のど真ん中に浮かぶ離島の「伊島」で,赤物縄と一本釣りを行ってきました(今回も操業時の写真はありません。すみません)。伊島漁協の皆様,大変お世話になりました。

四国本土から伊島までは,連絡船「みしま」で30分。1日3往復しています。


まずは伊島の漁村の様子を見て回りました。

次いで,伊島漁協の荷あげ場で,漁獲物についての説明を受けます。

出漁に備えての仕掛けづくり。

赤物縄の仕掛け。

出漁します。

出羽島の赤物縄ではキダイが中心でしたが,こちらではアマダイが漁獲の中心でした。同じ「赤物縄」でも,漁場により魚種が異なってきます(写真のアマダイは研修時に漁獲したものではありません)。

一本釣りはその時期時期で漁獲対象が変わりますあ,今回はアジがメインとなりました(写真のアジは研修時に漁獲したものではありません)。

大きなマダイを釣り上げた研修生もいました。そのほか,一本釣りで思うように漁獲がなかったため,先輩漁師と一緒にジギングをした研修生はブリも釣り上げていた模様。







3回目の現場実習 その2 天草採藻漁業編【追記】

出羽島での実習時に「天草の荷造り(袋詰め),出荷研修」をしたわけですが,それらの天草は,徳島市にある徳島県漁業協同組合連合会に集められ,6月15日に入札にかけられて,日本全国の加工業者さんに買われていきました。
写真は入札前の風景です。この日入札にかけられたのは,約20トン(1,000袋以上)。そのうち約3~4割が出羽島産のものでした。



3回目の現場実習 その2 天草採藻漁業編

牟岐町漁協では,寒天の原料となる天草の採藻漁業も盛んです。天草を漁獲するには,「海に潜り海中の天草を採取する方法」と「浜辺に流れついた天草を採取する方法」があり,前者の方が天草の質が良いとされています。
今回の研修中に,天草が流れ着いていれば,陸上での採取実習をする予定でしたが,残念ながら流れ着かなかったので,天草の出荷作業の実習のみを行いました。

採取された天草は,それぞれの漁業者が洗浄し,日干しにより乾燥させ,それを集積場に持ってきます。出荷の際は,その天草をまとめ,指定された袋に15kgずつ袋詰めします。乾燥された天草は非常に軽いので,15kg分を袋詰めするには,相当圧縮する必要があり,機械での作業となります。

そのようにして作った袋詰め天草を,出羽島から四国本土側に船で輸送します。

遠くから見れば,こんな感じ。

本土側の港からはトラックに積み込み輸送されます。これらの積み下ろしは相当な重労働となります。なお,この天草は,徳島市の徳島県漁業協同組合連合会に集められ,全国から集まった加工・流通業者さんの入札にかけられ,日本各地に運ばれて行きます。


「天草採取」はできませんでしたが,純漁村である出羽島の人々との交流もでき,漁村生活の一端を知ることができました。

3回目の現場実習 その1 赤物縄(あかもんなわ)編

3回目の現場実習は,牟岐町漁協さんのお世話になり,キダイ(レンコダイ),イトヨリ,アマダイなどをターゲットとする延縄漁業の一形態「赤物縄(ターゲットがだいたい赤い魚なので「赤物」)」と,寒天の原料となる「天草(てんぐさ)」の採藻漁業がメニュー。ここでは赤物縄をとりあげます。

牟岐町漁協で赤物縄に従事している漁業者は,そのほとんどが出羽島在住。というわけで,5月29日から6月2日まで出羽島に泊まり込んでの研修となりました。


まずは仕掛けづくり。牟岐の赤物縄では,だいたい150~200mの幹縄に,針を結んだ100本の枝縄をつけたものが1セット(地元で呼ばれる単位は「はち」)で,1回の出漁では5~10セットを用います。研修生の作業スピードは,現役漁業者の1/3~1/4くらい。

出漁は午前2時頃。(残念ながら操業時の写真はありません)。

帰港は午前7~8時。

帰港と前後して漁協に出荷します。これはキダイ(レンコダイ)。

高級魚アマダイもまじります。

今回の実習中でおそらく一番大きかったイトヨリ。

過去2回の実習では,「必要な時(網入れ,網揚げなど)だけ沖に行き,それ以外は陸上」という漁業だったのですが,今回は「漁業開始から終了までずっと沖」という操業パターンの漁業となりました。そのぶん船酔いリスクが高まるのですが,今回の研修では船酔いした研修生はいなかった模様です。