【阿南高専との連携講座】「マリンドローン,LED集魚灯,WEBマイコン制御,ICT & IoTについて」

8月30日は,阿南高専の先生方の御協力のもと,「マリンドローン,LED集魚灯,WEBマイコン制御,ICT & IoTについて」についての研修を実施しました。

まずはドローンについて。ドローンの定義,種類,関係法令などを学んだのち・・・

趣味レベルで用いる小型ドローンを実際に室内で飛ばしてみました。

屋外では,あらかじめプログラムされた産業用ドローンの飛行実験。写真上の方に小さく見える黒い点がドローンです。このドローンにはカメラが搭載されていて,その画像を,ゴーグルを通してリアルタイムで見ることができます(写真下の人が装着しているのがゴーグル)。

ドローン搭載カメラは,ゴーグルの方向と連動してその方向が変わります。搭載カメラで自分自身を見ようとすると,このように下を向くことになります。

続いては,WEBマイコン制御とICT & IoTについて。マイクロコンピューター(写真中央の緑色のもの)にLEDを接続して,その点滅をプログラムにより制御します。さらに,そのプログラムの起動,終了を,WEBを介して制御する実習も行いました。現在では,各種のハード,ソフトが準備されていて,思っていたよりも簡単にできるのです。この後,小型カメラの制御も行いました。

LEDについては,その原理と,光に対する水産生物の反応について学んだ後,実際に小型のLED集魚灯を作成してみました。

最後には,本日学んだことが,漁業現場にどのように応用できるかについての意見交換を行いました。

阿南高専の皆様,ありがとうございました。

徳島市中央卸売市場見学

徳島市中央卸売市場は,徳島市役所が解説者となっている消費地市場です。県内外から水産物や青果が集まってきて,セリなどの方法で値がつけられ,徳島県内の小売店などを経由して,消費者に届けられます。
8月28日にこの徳島市中央卸売市場を見学させていただきました。今回の見学にあたっては,「消費者」の立場でなく,水産物の「出荷者」の立場として,今後必要になるルールなどを講義していただきました。
徳島市中央卸売市場及び徳島魚市場株式会社の皆様,ありがとうございました。



【徳島科学技術高校との連携講座】未利用資源の有効活用

8月27日の研修は,徳島科学技術高校の 服部和幸 先生と,同校の学生さんを講師に招き,美波町にある「徳島県水産研究課美波庁舎」において,「未利用資源の有効活用」を学びました。

漁獲される水産物の中には,いろいろな理由で,「食べられる」にもかかわらず,安価なため,十分利用されていない魚介類があります。それらの魚介類も,一次加工することで,利用されやすくなり,より高価で販売できる可能性が生まれます。今回の研修では,「クロアナゴ」を例にとり,レトルト食品である「クロアナゴの水煮」を作成しました。

開始に当たって,服部先生から,本日の研修の全体の流れについての説明がありました。この緑色の水槽の中に,本日用いる「クロアナゴ(活魚)」が入っています。

クロアナゴは生きたまま大量の塩の中に放り込まれます。これで,動きを鈍くしたのち,頭部と尾部を切り離し,「血抜き」をします。あわせて,塩で体表のぬめりもとります。血とぬめりをとることで,「生臭さ」を除去します。

この先は,学生さんが先生に。

内蔵を除去。

こんな感じです。胸鰭も除きます。

筒切りにして,血合いを徹底的に除き,水気をとります。下準備はこれだけ。これをレトルトパウチ袋に入れて,真空包装機でパックし,レトルト食品用オートクレーブに2時間ほどかけて,完成。なお,水産研究課美波庁舎では,これらの器具を有料で利用することができます。詳細はこちらです。

徳島科学技術高校では,数年前から,未利用資源の有効利用に取り組んでいます。特にレトルトパウチ食品については,小型のイトヨリやレンコダイ,ボラなども用いています。本日作成したクロアナゴとともに,全て試食しました。

クロアナゴは,もともとそんなに「まずい」魚ではなく,どちらかといえば淡白な魚ですが,小骨が多いのがネックで,なかなか一般の流通に乗りません。オートクレーブにかけると,この小骨がまったく気にならないようになります。
現在,徳島科学技術高校では,作成したレトルトパウチ食品について,その保存性の良さに着目し,災害時の非常食として活用できないか検討中とのことでした。徳島科学技術高校の皆様,ありがとうございました。

【徳島大学との連携講座】藻類に関する最近のトピックス

8月21日の研修は,徳島大学 岡 直宏 先生を講師に招き,鳴門市にある「徳島大学水圏教育研究センター」において,「藻類に関する最近のトピックス」を学びました。

藻類は,そのまま食用として利用することのみならず,特にその成分を抽出することで,医薬品,各種食品の原材料,その他広い範囲での利用が見込まれている水産資源です。また,光と水中の栄養分さえあれば,さほどの手間をかけずに,陸上でも養殖することが可能です。たとえば,「海ぶどう(標準和名:クビレヅタ)」は,沖縄県で大規模に陸上養殖され,産業として成功している一例です。

研修では,岡先生が,今まで,各地でかかわってこられた藻類陸上養殖の様子や,藻類から抽出される成分の利用可能性についての講義をうけ,その後,現在徳島大学水圏教育研究センターや県水産研究課において陸上養殖実験が行われている「ミリンソウ」の,収穫及び試食を行いました。

陸上水槽からミリンソウを収穫します。ワカメやノリ養殖と違い,ミリンソウは,なにか基質に付着しているわけではなく,海水中で漂いながら生長します。そのため,収穫も容易ですし,「水槽」という限られた空間を有効に活用することもできます。

収穫したミリンソウは,脱水したのち,保存性を高めるため天日干しをします(テングサみたいです)。

この日は,軽く天日干しをしたあとの,まだ湿っている状態のものを試食。そのままでも食べられますが,人によっては少々「えぐみ」を感じる場合もあります(「それがいい」という人もいます)。写真は熱湯でほんの数秒湯がいた様子。色が赤色から緑色っぽく変化します。こうすると「えぐみ」は消え,ポン酢などをかけると,いくらでも食べられます。
研修生の一人は,持って帰ったミリンソウを,てんぷらにして食べたそうです。ちなみに,私は,「湯がいてポン酢で」というオーソドックスな食べ方のほか,湯がいたものをうどんの具として入れて食べました。どちらもおいしかったです。