8月27日の研修は,徳島科学技術高校の 服部和幸 先生と,同校の学生さんを講師に招き,美波町にある「徳島県水産研究課美波庁舎」において,「未利用資源の有効活用」を学びました。
漁獲される水産物の中には,いろいろな理由で,「食べられる」にもかかわらず,安価なため,十分利用されていない魚介類があります。それらの魚介類も,一次加工することで,利用されやすくなり,より高価で販売できる可能性が生まれます。今回の研修では,「クロアナゴ」を例にとり,レトルト食品である「クロアナゴの水煮」を作成しました。
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開始に当たって,服部先生から,本日の研修の全体の流れについての説明がありました。この緑色の水槽の中に,本日用いる「クロアナゴ(活魚)」が入っています。 |
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クロアナゴは生きたまま大量の塩の中に放り込まれます。これで,動きを鈍くしたのち,頭部と尾部を切り離し,「血抜き」をします。あわせて,塩で体表のぬめりもとります。血とぬめりをとることで,「生臭さ」を除去します。 |
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この先は,学生さんが先生に。 |
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内蔵を除去。 |
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こんな感じです。胸鰭も除きます。 |
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筒切りにして,血合いを徹底的に除き,水気をとります。下準備はこれだけ。これをレトルトパウチ袋に入れて,真空包装機でパックし,レトルト食品用オートクレーブに2時間ほどかけて,完成。なお,水産研究課美波庁舎では,これらの器具を有料で利用することができます。詳細はこちらです。 |
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徳島科学技術高校では,数年前から,未利用資源の有効利用に取り組んでいます。特にレトルトパウチ食品については,小型のイトヨリやレンコダイ,ボラなども用いています。本日作成したクロアナゴとともに,全て試食しました。 |
クロアナゴは,もともとそんなに「まずい」魚ではなく,どちらかといえば淡白な魚ですが,小骨が多いのがネックで,なかなか一般の流通に乗りません。オートクレーブにかけると,この小骨がまったく気にならないようになります。
現在,徳島科学技術高校では,作成したレトルトパウチ食品について,その保存性の良さに着目し,災害時の非常食として活用できないか検討中とのことでした。徳島科学技術高校の皆様,ありがとうございました。