令和4年11月の漁業アカデミー

 11月

 紀伊水道ではアシアカエビ、海部沿岸ではアオリイカが獲れだし、本格的な秋・冬の漁模様に変わってきました。とくしま漁業アカデミーでは徳島県企業版ふるさと納税活用事業によりアカデミー入学希望者や漁業就業に興味がある方を対象に県北と県南でオープンキャンパスを実施しています。第Ⅰ回は徳島市漁協の協力により小型底曳網の実習を実施しました。内容は下記のとおりです。

11/19@徳島市漁協底曳網オープンキャンパス

 徳島市漁業協同組合の林勉組合長と林拓馬さんのご指導のもととくしま漁業アカデミーオープンキャンパスを小型底びき網漁船(元気丸)で実施しました。当日はアカデミーに入学を希望される方3名が(県外2人、県内1人)が参加しました。お二方から底曳網の仕組み、計器・機器の使い方を教えてもらいながら、徳島港沖水深30mでアシアカエビ狙いで石桁網を2回曳網しました。2回の操業でアシアカエビが100尾、シラサエビが30尾、アカシタビラメが10枚程度漁獲されました。今年のアシアカエビはまずまずの漁が期待できそうです。参加者は船上で水揚げされた漁獲物の選別作業を行った後、生きたアシアカエビとシラサエビを食べ比べさせていただき喜んでいました。シラサエビの方が微妙に甘いと感じました。当日は天候も良好で波もなかったので船酔いする人はいませんでした。オープンキャンパスの開催に当たってご尽力いただいた林組合長をはじめ徳島市漁業協同組合の皆様に深謝します。

石桁網の投入
漁業者によるネットローラーの説明
石桁網の取込み
袋網の開口
アシアカエビとシラサエビの食べ比べ
漁獲物の選別作業
アカシタビラメ
ウシエビ(ブラックタイガー)































令和4年10月の漁業アカデミー

 10月 

 5~9月の前期進路選択オリエンテーションが終わり、10~3月の間、研修生は各浜の親方に付いて学ぶより実践的な後期インターンシップが始まりました。今年の研修生5名のうち4名が育った地域で父親に付き、1名が所縁のない地域で親方について学び始めました。漁業種類別にみると延縄が2名(椿泊)、イセエビ刺網、海士(日和佐)が1名、船曳網が2名(長原)となっています。

 延縄は春から夏のハモ,タチウオを中心に、秋から冬にはサワラ、アマダイ、キハダマグロなどに採算性の高い漁法にスイッチしていきます。対象魚に応じて鈎や糸など道具の仕立てが異なり、漁場や水深、操業時間帯,餌の調達などが異なるため、本当に習得することが盛りだくさんな漁法です。

ハモ延縄漁業(底延縄,夜間操業)
タチウオ延縄漁業(浮延縄,夜間操業)
サワラ延縄漁業(浮延縄,夜明け時操業)
アカムツ延縄漁業(底延縄,昼間操業)

 9月に解禁となるイセエビ刺網も漁場の選択、投網、揚網、イセエビの外し、網の修繕など学ぶとことが盛りだくさんな漁法です。日和佐漁協では先進的な資源管理の取り組みにより漁獲量、生産額が増加しています。

イセエビ刺網漁業(エビ網,建網)

海士(あま)も潜水技術に加えてアワビを探す目を養うことなど、体力・センスに加えて熟練が必要とされる漁業です。

海士漁業

 シラスを狙う船曳網も250mもある巨大な網を操り、シラスを漁獲するものです。魚探、ソナーなど高度な計器類を駆使しつつ、危険なネットローラーを操る危険を伴う漁業です。

船曳網漁業(パッチ網)

 いずれも危険を伴う漁法であり、とくしま漁業アカデミーはいつも研修生の安全第一を願っています。


 

令和4年9月の漁業アカデミー

 9月

 残暑厳しい季節柄ですが、紀伊水道の秋シラスや海部沿岸のエビ網が始まる時期となりました。このような漁模様を踏まえ、今年新たに日和佐漁協のご厚意により、進路オリエンテーションにイセエビ刺網を追加することができました。

9/9@和田島漁協船曳網研修
 9月9日(金)に和田島漁協において漁業アカデミー研修生2名が鳴滝詔稔(きみとし)副組合長のご指導による船曳網(パッチ網)の操業と加工についての現場実習、及び今治清孝組合長と上村広和参事による船曳網の経営についての座学を受講しました。写真①は6:30に一斉に出港、同②は運搬船に搭載されたシラス魚探で魚群を探索、同③は網船2隻による曳網、同④は運搬船のシラス魚探で袋網内のシラス入網量と網なりの確認、同⑤は運搬船への袋網の取り込み、同⑥はフィッシュポンプで魚槽にシラスを取り込みとシャク獲りからシラスをを取り出し、同⑦は運搬船の魚槽からフィッシュポンプでトラックの魚槽へのシラスの取り込み、同⑧は加工場で洗浄→釜茹で→ 乾燥機の自動工程の様子です。船曳網の就業予定の研修生2名は、地域により「操業方法が異なりたいへん勉強になった」と話していました。丁寧にご指導いただいた和田島漁協の皆様に心よりお礼申し上げます。

①船曳網の6:30一斉出港、写真はアカデミー研修生を乗せた金毘羅丸
②ジャッカーのシラス魚探に映るシラス魚群
③網船真船(奥)と逆船(手前)
④ジャッカー魚群探知機で袋網の網ナリをみて、入網量を調べる。
⑤袋網回収する。オレンジの救命胴衣を着たのは研修生
⑥袋網からフィッシュポンプで魚層にシラスを取り込む。

⑦ジャッカーからフィッシュポンプでトラックのタンクにシラスを取り込む。
⑧金毘羅丸の加工場を見学するアカデミー研修生

9/12~15@フォークリフト運転資格取得
 9月12~15日に漁業アカデミー6期生4人が漁港の荷捌き施設などで漁具や水産物の漁船への積み降ろしを効率的に実施できるようにフォークリフトの運転技能講習を受け、資格を得ました。写真は中央技能講習所の教官指導のもとフォークリフトによる荷物の積み下ろしの練習をしているところです。とくしま漁業アカデミーは研修生が漁業操業や6時産業化などの加工技術に必要な資格を取得することを応援しています。
①~③フォークリフトの運転練習を実施するアカデミー研修生

9/26~28@玉掛技能講習実技
 玉掛とはクレーンやデリックなどに荷を吊らせる際,ワイヤーロープまたはチェーンなどを荷に掛けたり,運搬の合図を行う作業のことです。玉掛の知識や技術を持っておくことは,漁業現場や造船所でのドック等において安全を守り、効率的に作業を進めるうえでも役立つことから,漁業アカデミーでは今年から技能講習の受講を進めています。写真は2022年9月28日に中央技能講習所指導教官のもとでアカデミー研修生がワイヤーの掛け位置の点検や安全確認を実施しているところです。
①玉掛け点検を行う研修生
②玉掛け指示を行う研修生

9/29~9/30@日和佐町漁協イセエビ刺網実習
 日和佐町漁協のご指導により9月29日(木)から9月30日(金)にイセエビ刺網の実習を実施しました。アカデミー研修生3人が9月29日(木)午後に禁漁区への①網入れ、9月30日(金)午前0時から早朝にアカデミー研修生5人が②網揚げ,③~⑤刺網からのイセエビ外し,網のごみと絡み取り、及び組合での仲買業者による選別について学びました。その後9時30分から~11時に水産研究課美波庁舎サテライト研究室で豊崎辰輝組合長からイセエビの資源管理について学びました。各研修生に丁寧にご指導いただいた日和佐町漁協の皆様に心よりお礼申し上げます。

①集団操業の網入れ
②アカデミー1期生の指導のもと網揚げを行うアカデミー6期生研修生


③~⑤イセエビの網外し



令和4年8月の漁業アカデミー

8月

 今年の夏は台風の来襲もなく、猛暑日が続きましたが、順調にアカデミーの研修を実施することができています。 早期台風がなく、水温が高かったせいか、出羽島の研修においても港の内外でたくさんのアオリイカの稚仔が浮遊する姿をみかけました。   

8/1~8/3@出羽島赤物延縄実習
 8月1~3日に牟岐町漁協出羽島の皆様のご協力により赤物延縄実習を実施しました。 3名の研修生が延縄当業船に乗船して午前2時に出羽島港を出港し,海陽町沖の水深80~110ⅿの海域でオキアミを装着した800本の針を投入し,キダイ,イトヨリ,ソコイトヨリ,アカアマダイ,ハモなどを釣獲しました。 7時に牟岐町漁協の荷捌きで水揚げ後,出羽島に戻り,漁師さんから延縄の修繕方法を学びました。 出羽島で漁を営むアカデミー卒業生(1,2期生)3名から話を聞くこともでき充実した研修になりました。
 1,2枚目の写真は投縄、3枚目は揚縄、4枚目は水揚げ,5枚目は延縄修繕の様子です。
 牟岐町漁協の皆様並びにアカデミーの先輩の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

赤物延縄縄鉢、餌のオキアミが丁寧に針に刺されている。
船尾からの投縄作業を他船からみた様子
揚縄作業と漁獲物
漁港での水揚げ作業
延縄の修繕作業

8/3@栽培漁業センター見学
 8月3日にアカデミー研修生3名が栽培センターを訪問し,同センターの多田主任からクルマエビ,アシアカエビ(写真①②),アワビ(同③),アユ(同④),餌料培養などの栽培漁業の概要及び海藻ラボ(同⑤)の取組について説明いただきました。 親エビ不足などにより例年生産が不安定なクルマエビ,アシアカエビについても今年は山本場長の指導よろしく順調に生産されているそうです。 快くアカデミー生の見学を受け入れ下さった栽培漁業センターの皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
①生産されたクルマエビ稚エビ
②生産されたアシアカエビ稚エビ
③アワビ稚貝
④アユ親魚池

⑤海藻ラボ見学

8/23@大切なエンジンの講習
 安全かつ効率的な操業を営むにはエンジンのメンテはとりわけ大切です。 阿波ヤンマー株式会社のご厚意により、8月23日に同社において同社舶用営業部の高濱光市郎さんからとくしま漁業アカデミー生2名に漁船エンジンの構造について御講義(写真①)いただくとともに同社工場においてエンジンの構造(写真②)について説明いただきました。 また,今回の研修をお世話いただいた橋井義文取締役から毎日漁船のエンジンを観察し,興味をもつこと及び高濱さんからはオイルと冷却水のチェックの大切さを教わりました。 快くアカデミー生の研修を受諾いただいた阿波ヤンマー株式会社の皆様には心よりお礼申し上げます。
①エンジンの構造とメンテナンスについて説明
②同社工場にて15馬力の新品のエンジンを用いて構造説明。

8/23@大切な航海計器の講習
 安全かつ効率的な操業を営むには航海計器類の使いこなしが大切です。 8月23日に水産会館においてフルノ関西の宇佐美所長と2名の技術者から緯度、経度の測地系や電波の基本的な知識をはじめ、無線機、プロッター、魚群探知機、レーダー、AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)の原理と使い方について教わりました。
 快くアカデミー生の研修を受諾いただいたフルノ関西販売株式会社の皆様には心よりお礼申し上げます。
①はじめに漁業計器の基本について教わりました。
②実際のレーダー、魚探、プロッターを用いて使い方を教わりました。

8/23@実用的な網とロープの講習
 効率的な操業を営むには機敏に網やロープの修繕ができることが大切です。 8月23日に水産会館において網とロープの素材と種類、目合いの求め方、網の修繕方法、ロープの組み込み方法などについて網秀商店の武田秀彦社長に教えていただきました。 参加した2名の研修生ともに器用でとても呑み込みが早く、蛙又結びによる網の修繕やロープの輪作り(アイスプライス)をマスターしました。 丁寧に手取り足取り教えていただいた網秀商店の武田秀彦社長に衷心よりお礼申し上げます。

①網の素材や目合の読み方について教わりました。
②ロープの組み込み方について教わっているところ。
③網の修繕方法について教わっているところ。


8/24@第2級海上特殊無線技師資格勉強会
 漁業アカデミー第6期生は船曳網、延縄、遊漁船などへの就業を希望しています。 これらの漁船では、電波を発信する無線機、レーダーを使用する機会が多く、第2級海上特殊無線技師資格が必要となります。 このため、科学技術高校の御好意により同国家試験に向けて、勉強会を8月24日に実施していただきました。 徳島科学技術高校の記本貴寛先生から法規と無線工学の知識を教えていただくとともに、阿州丸に装備されている無線機、レーダー、AIS (船舶自動識別装置)、レーダートランスポンダ、衛星イーパブなどについて説明いただきました。 お忙しいなか、アカデミー生のために時間を割いていただいた科学技術高校の記本貴寛先生と片岡美貴先生に深謝します。

①徳島科学技術高校コンピューター室にてPC上で過去の国家試験問題について指導を受ける。
②科学技術高校コンピューター室にてPC上で過去の国家試験問題について指導を受ける。
③レーダーシュミレーションを使い、レーダーやAISに関する知識を学ぶ。
④徳島科学技術高校阿州丸のレーダーを使いレーダーやAISの知識について学ぶ。
⑤阿州丸(19トン)


8/25@県庁及び漁連職員による座学研修
 令和4年8月25日(木)には徳島県水産会館4階小研修室において県庁及び漁連職員による水産行政等に関する座学研修を実施しました。プログラムとプレゼンファイル(一部)は下記のとおりです。
① 9:30~10:30 漁業関係法令について(漁業調整課 赤澤係長)



②10:30~11:30 漁業協同組合について(水産振興課 竹内主事)

③11:30~12:00 次世代人材投資(準備型)申請書の書き方について(アカデミー上田課長)             
(休   憩)
④13:00~14:00 資源管理型漁業について(水産振興課 吉田主任主事)
⑤14:00~15:00 漁港・漁場について(生産基盤課 乾主事)


⑥15:00~17:00 漁業就業にあたっての心構えについて(県漁連 大塚主任)