令和5年5月
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」の好季節を迎え、本格的に今年度の研修が始まりました。
〇小型船舶操縦免許取得講座(5/6、7、13、24、25 )
小型船舶操縦士免許の取得は漁業アカデミーの卒業要件の一つとなっており、令和5年度第7期研修生6名の受講内訳は次の通りです。
一級免許取得済み:1名
二級免許取得済み、一級免許ステップアップ講座受講:1名
(うち3名は二級免許取得後一級免許ステップアップ講座受講。年齢制限により未受講1名)
研修生は小松島マリーナ実施の取得講座に参加し、令和5年5月6、7日に二級学科、13日に二級実技+終了審査、24、25日に一級ステップアップ学科+終了審査が行われました。
受講研修生は座学のほか、ロープワーク、船舶での操船等実技講習を熱心に受講し、全員が無事小型船舶操縦免許を取得することができました。
学科講習受講
ロープワーク講習
コンパスの使用方法の講習
機関や操船に関する実技講習
〇進路選択オリエンテーション1(鞆浦漁協 5/15~18)
場所:海部郡海陽町鞆浦
内容:鞆浦漁協大型定置網(大敷網)実習
参加研修生:一般コース3名、専攻コース1名
今年度の進路選択オリエンテーションは5月15日(月)から始まりました。第7期研修生は一般コース3名、専攻コース3名(専攻コースは卒業後の進路が固まっており、就業する漁業種類に応じた技術・資格の取得を目的とする者が対象)の計6名となっており、うち一般コース研修生3名と専攻コース研修生1名の計4名が今回の実習に参加しました。
初日に大敷網船長ほかから大敷網の仕組みや就業スタイル等について説明していただき、その後海陽町鞆浦地区を体感するとともに、2~4日目は実際に漁船に乗り込み、網揚げ等船上作業、ロープワークや網漁具設置作業等及び陸上での漁獲物選別作業を学びました。大型定置網は多種多様な魚種が水揚げされ、漁獲物の多様性も魅力であり、今回も日によって漁獲物が異なり、サバが大漁だったり、キハダマグロや超巨大なマンボウが漁獲されるなど、研修生は船上作業から選別作業を体感し、大変さを実感した大変良い実習となりました。
この場をお借りして鞆浦漁協関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。
漁船に乗り込み漁場へ向かいます。
船上で乗組員から話を聞く研修生
大型定置網の網揚げ作業を実習しました(青ヘルメットが研修生です。)。
巨大マンボウやキハダマグロも入網し、かなりの迫力でした。県南部や高知県では、マンボウは食用として好まれ、身、腸、肝の3点セットが地元スーパーや直売所などに良く並びます。
陸上での選別実習も行いました。写真はサバ等の選別を行っているところです。
水揚げ後、荷捌き所で実施される入札も見学しました。
〇県有種苗生産施設見学(5/16)
場所:海部郡海陽町浅川
参加研修生:一般コース3名、専攻コース1名
5月16日(火)には鞆浦漁協での実習の空き時間を利用し、近隣にある県有種苗生産施設(公益財団法人徳島県水産振興公害対策基金加島事業場、通称:栽培漁業センター)に研修生4名がお伺いし、種苗生産や栽培漁業についての説明及び場内案内をしていただきました。生産現場では採卵中のクルマエビや育成中のアワビ類について説明を受け、漁業や水産業は獲って売るだけでなく、いろいろな取り組みが行われていることを学ぶ良い機会となりました。
この場をお借りして案内・説明いただいた場長ほか関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。
場長から説明を聞く研修生
親クルマエビの説明を受ける研修生
クルマエビの種苗生産水槽見学
アワビ循流水槽見学
育成中のアワビ稚貝の説明を受ける研修生
〇県水産研究課座学(5/22 美波庁舎、5/23 鳴門庁舎)
5月22日(月)には、研修生5名が参加し、徳島県立農林水産技術支援センター水産研究課美波庁舎において、本県の海洋環境や美波庁舎での研究内容について次のとおり各担当者から説明していただいた他、庁舎を案内いただきました。
① 徳島県の岩礁性藻場
海部郡沿岸を藻場のタイプ別に5つに分け、それぞれの特徴について説明を受け、アラメ、カジメなどの海中林は阿部以北でしか見られなくなっており、伊座利沿岸は特にアラメが大量繁茂しているが、これは内海系水の影響であり、当分の間はこの状態が続くことが考えられる、との話がありました。
② 磯根資源
本県沿岸の磯根資源の概況について説明いただきました。
主に水温の季節変動や現在で取り組んでいる漁海況予測システムの概要について詳しく説明していただきました。
5月23日には、研修生6名全員が参加し、鳴門庁舎においてワカメをはじめとする藻類養殖の基礎について、次のとおり担当者から説明していただきました。その後、施設案内をしていただくとともに、わかめの種付け実習を行いました。
① 藻類養殖の概要
水研が作成した「わかめ」・「スジアオノリ」のもの知り図鑑(水研HPにも掲載)を使用し、それぞれの基本的事項を説明していただきました。
② リアルタイム水質情報配信システム
水研HPで公開中の配信システムについて実機を用いて仕組み等を詳しく説明いただきました。
③ わかめ種糸作成実習
研究員の指導により、試験的に養殖しているワカメメカブから遊走子を放出させ、たこ糸に付着させる種糸づくりを実習させていただきました。
最後に、県水産研究課には両施設の利用許可をいただくとともに、所長はじめ研究員の皆様に丁寧に説明いただき、心よりお礼を申し上げます。
(参考)
もの知り図鑑各種
リアルタイム水質情報配信システム
美波庁舎の施設説明を受ける研修生
研究内容の説明を受ける研修生
防災機能(避難場所)を持った美波庁舎
鳴門庁舎での取り組みについて説明を受けました。
温暖化に対応したワカメ作出について説明を聞く研修生
屋外ではワカメの種付け実習を行いました。