令和4年9月の漁業アカデミー

 9月

 残暑厳しい季節柄ですが、紀伊水道の秋シラスや海部沿岸のエビ網が始まる時期となりました。このような漁模様を踏まえ、今年新たに日和佐漁協のご厚意により、進路オリエンテーションにイセエビ刺網を追加することができました。

9/9@和田島漁協船曳網研修
 9月9日(金)に和田島漁協において漁業アカデミー研修生2名が鳴滝詔稔(きみとし)副組合長のご指導による船曳網(パッチ網)の操業と加工についての現場実習、及び今治清孝組合長と上村広和参事による船曳網の経営についての座学を受講しました。写真①は6:30に一斉に出港、同②は運搬船に搭載されたシラス魚探で魚群を探索、同③は網船2隻による曳網、同④は運搬船のシラス魚探で袋網内のシラス入網量と網なりの確認、同⑤は運搬船への袋網の取り込み、同⑥はフィッシュポンプで魚槽にシラスを取り込みとシャク獲りからシラスをを取り出し、同⑦は運搬船の魚槽からフィッシュポンプでトラックの魚槽へのシラスの取り込み、同⑧は加工場で洗浄→釜茹で→ 乾燥機の自動工程の様子です。船曳網の就業予定の研修生2名は、地域により「操業方法が異なりたいへん勉強になった」と話していました。丁寧にご指導いただいた和田島漁協の皆様に心よりお礼申し上げます。

①船曳網の6:30一斉出港、写真はアカデミー研修生を乗せた金毘羅丸
②ジャッカーのシラス魚探に映るシラス魚群
③網船真船(奥)と逆船(手前)
④ジャッカー魚群探知機で袋網の網ナリをみて、入網量を調べる。
⑤袋網回収する。オレンジの救命胴衣を着たのは研修生
⑥袋網からフィッシュポンプで魚層にシラスを取り込む。

⑦ジャッカーからフィッシュポンプでトラックのタンクにシラスを取り込む。
⑧金毘羅丸の加工場を見学するアカデミー研修生

9/12~15@フォークリフト運転資格取得
 9月12~15日に漁業アカデミー6期生4人が漁港の荷捌き施設などで漁具や水産物の漁船への積み降ろしを効率的に実施できるようにフォークリフトの運転技能講習を受け、資格を得ました。写真は中央技能講習所の教官指導のもとフォークリフトによる荷物の積み下ろしの練習をしているところです。とくしま漁業アカデミーは研修生が漁業操業や6時産業化などの加工技術に必要な資格を取得することを応援しています。
①~③フォークリフトの運転練習を実施するアカデミー研修生

9/26~28@玉掛技能講習実技
 玉掛とはクレーンやデリックなどに荷を吊らせる際,ワイヤーロープまたはチェーンなどを荷に掛けたり,運搬の合図を行う作業のことです。玉掛の知識や技術を持っておくことは,漁業現場や造船所でのドック等において安全を守り、効率的に作業を進めるうえでも役立つことから,漁業アカデミーでは今年から技能講習の受講を進めています。写真は2022年9月28日に中央技能講習所指導教官のもとでアカデミー研修生がワイヤーの掛け位置の点検や安全確認を実施しているところです。
①玉掛け点検を行う研修生
②玉掛け指示を行う研修生

9/29~9/30@日和佐町漁協イセエビ刺網実習
 日和佐町漁協のご指導により9月29日(木)から9月30日(金)にイセエビ刺網の実習を実施しました。アカデミー研修生3人が9月29日(木)午後に禁漁区への①網入れ、9月30日(金)午前0時から早朝にアカデミー研修生5人が②網揚げ,③~⑤刺網からのイセエビ外し,網のごみと絡み取り、及び組合での仲買業者による選別について学びました。その後9時30分から~11時に水産研究課美波庁舎サテライト研究室で豊崎辰輝組合長からイセエビの資源管理について学びました。各研修生に丁寧にご指導いただいた日和佐町漁協の皆様に心よりお礼申し上げます。

①集団操業の網入れ
②アカデミー1期生の指導のもと網揚げを行うアカデミー6期生研修生


③~⑤イセエビの網外し