令和5年8月の漁業アカデミー関連事業

  令和5年8

 今月は関連事業として、アカデミー短期講座を実施しました。


〇とくしま漁業アカデミー短期講座「徳島の漁業応援隊育成コース」(8/25)

 日 時:令和5年8月25日(金)8:30~11:00
 場 所:阿南市椿泊町 椿泊漁業協同組合
 参加者:徳島県立小松島西高校食物科1年生67名、引率6名
     アカデミー研修生2名
 とくしま漁業アカデミーでは、本県漁業や県産水産物の魅力発信を担う人材「浜っ子★」の育成に向け、短期講座「徳島の漁業応援隊養成コース」を開設しており、今回は小松島西高校食物科1年生を対象に椿泊漁協にて実施し、アカデミー研修生2名も参加しました。
 当日は、簡単な説明のあと、各自が荷さばき所に水揚げされた漁獲物や施設見学・写真撮影を行いました。その後、延縄漁船が帰港、キハダマグロ4尾及びクロカジキ1尾が水揚げされ、内臓・鰓等を除去する下処理、計量等を見学するとともに写真撮影を行いました。当日はタイミング的に水揚げする漁業者が少なく、見学できたのはこの1隻のみでしたが、40kgを超すマグロとツノと内臓等を除いて80kg超のカジキは迫力があり、ほとんどの参加者が驚いていました。その後、事務所2階に移動し、アカデミー事務局からマグロの話、椿泊地区の漁業及び椿泊漁協の事業・役割を講義した後、外部講師から、スマホを活用した写真撮影講座及びSNS発信時のコツや注意点について講義をしていただき、参加者は熱心に受講していました。
 講義終了後には、アカデミー事務局から、本日撮影した写真等を利用し、各自SNS等で積極的に本県漁業・県産水産物や椿泊をPRしてほしい旨伝えました。最後に生徒代表からお礼の挨拶があり、全ての工程を終了しました。
 当日快く対応いただいた椿泊漁協組合長、職員の皆様をはじめ、小松島西高校ほか関係者の皆様に心よりお礼を申し上げます。
 会場となった椿泊漁協
 漁協事務所に隣接する荷捌き所で水揚げされたハモなどの魚を見学しました。

 キハダマグロ延縄漁船が帰港し、釣り上げられたキハダマグロの水揚げも間近に見学でき、参加者は驚いていました。
 漁協事務所では写真撮影・SNS講座も実施され、参加者は各自手持ちのスマホで操作実習を行いました。


令和5年8月の漁業アカデミー

  令和5年8

 今年も記録的な暑さとなっていますが、これまで順調に研修が実施できています。今月は資格取得講習と座学研修を中心に行いました。


〇玉掛け技能講習(8/7、8、10)

 場所:徳島市東沖州 中央技能講習所株式会社
 参加研修生:一般コース3名、専攻コース2名
 とくしま漁業アカデミーでは、漁業就業に役立つ資格取得を推進しており、その一環として、マリンピア内にある中央技能講習所株式会社において、玉掛け技能講習を研修生5名が受講しました(受講可能年齢に達していない研修生1名は別途受講予定)。
 玉掛け技能は、定置網や養殖においてつり上げ荷重1トン以上のクレーンや移動式クレーンを使って資材や網等を吊り上げる際、フックを資材に掛けたり外したりする玉掛け作業を行う際に必要となる重要な資格となっています。研修生は8月7、8日の2日間学科講義を受け、10日に実技実習を受講し最後に実技試験を受けました。当日は台風6号の影響で実施が危ぶまれましたが、雨の中、屋外での実技講習も無事終了、全員が合格し修了証が交付されました。

実技講習(玉掛け点検を行う研修生)
実技講習(玉掛け点検を行う研修生)
実技講習(指示を行う研修生)

〇食品衛生責任者養成講習(8/9)

 場所:徳島市南末広町 中央テクノスクール「ろうきんホール」
 参加研修生:一般コース3名、専攻コース3名
 漁業就業に役立つ資格取得の一環として、食品衛生責任者養成講習会を研修生6名(7期生全員)が受講しました。漁家で水産物の加工等(干物製造など)を行う場合、許可に加え事業を行う際に食品衛生責任者を配置する必要があり、当資格は必須の資格となります。主に「食品衛生責任者ハンドブック」を用いて食品衛生学、食品衛生法、公衆衛生学及び食品表示等、食品衛生に関係する講義が10時から17時(途中1時間休憩含)までみっちり行われ、受講後その場で全員に修了証明書が交付されました。
受講会場
会場の風景。研修生の他、大勢受講していました。
受講した研修生6名
 受講に使用した資料。メインテキストは「新訂 食品衛生責任者ハンドブック 第2版」で250ページあり、このテキストで食品衛生に関するほぼ全てが網羅されています。

〇県庁及び県漁連職員による座学(8/22)

 場所:徳島市東沖州 水産会館 第1研修室
 参加研修生:一般コース3名、専攻コース2名

 とくしま漁業アカデミーの座学研修の一環で、漁業に必要な幅広い範囲の知識の習得のため、県庁水産振興課、漁業管理調整課及び徳島県漁連の皆様を講師として各種講義を実施し、研修生5名が参加しました(1名は所用のため欠席)。
 内容は次のとおりで、各講師の皆様には大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。
①徳島県の水産業について(9:30~10:10)
 講師:徳島県農林水産部水産振興課振興・流通担当 門野主任主事
 全国に占める本県漁業の位置付け、新規漁業就業者の動向のほか、水産物流通に関する話題について分かりやすく説明いただきました。


②漁業関係法令(漁業法など)について(10:20~11:00)
 講師:徳島県農林水産部漁業資源調整課調整・漁船担当 枝川係長
 漁業法に基づく漁業権制度、漁業許可制度、特定水産動植物に関すること、水産物の採捕制限や遊漁者に認められている漁具・漁法のほか、遊漁船業及び水産流通適正化に関する制度を分かりやすく説明いただきました。内容が重要かつ漁業法改正・新法制定等により知っておくべき内容が大幅に増加・複雑化していることを学びました。



③資源管理について(10:20~11:00)
 講師:徳島県農林水産部漁業資源調整課調整・漁船担当 吉田主任主事
 資源管理の基礎知識や国が進める「新たな資源管理」のほか、本県を代表する水産物である「ハモ」及び「イセエビ」の本県における資源管理の優良事例について、分かりやすくかみ砕いて説明いただきました。



④水産業協同組合法・漁業協同組合について
 講師:徳島県農林水産部水産振興課団体指導担当 西岡主任
 水協法や法に基づき設立される漁協が担う幅広い役割や組合員制度について、分かりやすく丁寧に説明いただきました。



⑤漁業就業の心構え、漁港・漁場など漁業全般
 講師:徳島県漁業協同組合連合会 大塚主任
 漁業を営む上で大切なこと(安全・健康第一、お金と信用の話、情報収集力と人脈の大切さ)、人間は命をいただき、漁業は命をいただく産業かつ食物連鎖の中で行われていること、豊かな海とは何か等、漁業を行う上で大切な総論的なことのほか、申告書を用いた漁家経営収支、税金の話、海の栄養塩の話、県内漁港の高度衛生管理荷捌き所の整備やフェリー耐震岸壁を事例とした南海トラフ巨大地震の話など多岐にわたり、これから漁業を営むうえで重要な話を盛り沢山していただきました。




⑥アカデミー研修生への支援金説明
 講師:(公財)徳島県水産振興公害対策基金 和田
 今年度第7期研修生に関する支援事業(国・県)について説明がありました。今年度は国支援金については4名の研修生が、県支援金については親元就業を予定している2名の研修生が活用予定となっており、必要書類の書き方や提出期限について説明を受けました。
国支援金申請に必要な研修計画書様式


〇漁船エンジン・オイルに関する座学(8/23 AM)

 場 所:徳島市津田海岸町 阿波ヤンマー株式会社
 講 師:阿波ヤンマー株式会社関係者
 参加者:一般コース3名、専攻コース3名
 とくしま漁業アカデミーの座学研修の一環で、漁業に必要な幅広い範囲の知識の習得のため、座学「漁船エンジン及びオイルについて」を実施しました。
 安全かつ効率的な操業を営むには、漁船に搭載されたエンジンの構造や性質を熟知し、定期的なメンテナンスを行うことがとりわけ重要となってきます。また、エンジン駆動に欠かせないオイルに関する知識も重要です。このことから、阿波ヤンマー株式会社のご厚意により、漁船エンジン及びオイルについて講義いただきました。7期生6名全員が参加し、特に漁船で多用されるディーゼルエンジンの構造や部品の役割について資料を元に説明いただくとともに、同社工場において分解中の実機を見ながらエンジンの構造等について詳しく説明いただきました。また、オイルの役割についても資料に基づき特に重要な役割について説明いただきました。加えて、エンジンの値上がりによりエンジン・オイルの定期点検、メンテナンスがこれまで以上に大切になっていること、海水使用のため電蝕対策部品は特に定期的に点検・交換することがいかに大切か、との点を強調して話していただきました。
 この場をお借りし、快く講義を行っていただきました阿波ヤンマー株式会社の皆様に心よりお礼申し上げます。
ディーゼル機関及びオイルの知識を学びました。

 作業現場ではメンテナンス中のディーゼルエンジンを見本に各部位の役割等を教えて頂きました。


〇GPSプロッターや魚群探知機など漁船搭載機器に関する座学(8/23 PM①)

 場 所:徳島市東沖州 水産会館 第1研修室
 講 師:古野電機株式会社西日本支社徳島営業所関係者
 参加者:一般コース3名、専攻コース3名

 とくしま漁業アカデミーの座学研修の一環で、漁業に必要な幅広い範囲の知識の習得のため、座学「GPSプロッター、魚群探知機、レーダー等の仕組みについて」を実施し研修生6名全員が参加しました。
 安全かつ効率的な操業を営むには、航海計器類を十分理解し的確に使いこなすことが重要です。このことから、例年、古野電機が製造・販売する機器を用いた講習を古野電機西日本支店徳島営業所に実施いただいており、緯度・経度の測地系や電波の基本的な知識、GPSプロッター、魚群探知機、レーダー、AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)の原理と使い方について詳しく講義していただきました。
 GPSプロッターで利用する測地系は、主に世界測地系と日本測地系があり、同じ数字でも表示する位置が大きく異なり、世界測地系から南東へ300-500mずれた点が日本測地系の緯度経度になることから、本県でも相手の示す測地系を確認することが特に漁船漁業を行う上で重要となります(県下漁業現場では両方が混在するうえ、さらに古いロランC測地系の数字を使っている地区もあります。)。また、延縄漁などで重要なレーダーは、今後研修生が受検予定の第二級海上特殊無線技士の資格が必要な機器となっており、研修生は熱心に講義を受けていました。
 最後に、快くアカデミー生の研修を受諾いただいた古野電機株式会社の皆様に心よりお礼申し上げます。


 GPSプロッター、魚群探知機及びレーダーの実機を用意いただき、研修生は操作方法や役割などを詳しく学びました。


〇ロープ及び漁網に関する座学(8/23 PM②)

 場 所:徳島市東沖州 水産会館 第1研修室
 講 師:網秀商店有限会社社長
 参加者:一般コース3名、専攻コース3名

 とくしま漁業アカデミーの座学研修の一環で、漁業に必要な幅広い範囲の知識の習得のため、座学「ロープと漁網についての基礎知識講座」を実施しました。
 効率的な操業を行うには、機敏で的確に網の修繕やロープワークを行うことが重要であることから、漁網やロープの扱い等に熟知している網秀商店社長にロープと漁網についての基礎知識を教わりました。研修生は、ロープ及び漁網の実物を見ながらの講義を受けるとともに、実技としてロープ先端の輪作り(さつま結び:別称アイスプライス)と蛙又編みによる漁網の修繕方法を教わりました。漁網の構造では、目合い、カット方法、縮結(いせ)が重要なことを学びました。ロープでは、特に「さつま結び」は漁師に必須の作業であり、研修生が教えあいながら、最終的に研修生全員がマスターすることができました。時間がある者は、漁網の修繕方法も熱心に手取り足取り教えていただきました。当講義は予定していた時間を超過し、途中で講義を終了させないと、いつまでも続くのではと思われるほど、研修生は熱心に取り組んでいました。
 最後に、長時間丁寧に教えていただいた網秀商店社長に心よりお礼申し上げます。

 曲尺(かねじゃく)と鯨尺(くじらじゃく)の説明や、どういった現場でどちらが良く使用されるかも教えていただきました。
 実物のロープや網を用いてわかりやすく講義いただきました。

 ロープ先端のさつま結び(アイスプライス)実習では、皆がマスターするまで熱心に取り組みました。

 今後網漁に就業希望の研修生は、蛙又編みでの漁網修繕実習も積極的に行いました。


〇第二級海上特殊無線技士試験に関する講義及び実機実習(8/24 10~16時)

 場 所:徳島県立徳島科学技術高校、阿州丸(マリンピア停泊場所)
 講 師:徳島県立徳島科学技術高校 記本教諭
 参加者:一般コース3名、専攻コース3名

 とくしま漁業アカデミーの座学研修の一環で、漁業に必要な幅広い範囲の知識の習得のため、座学「第二級海上特殊無線技士試験に関する法規・工学講義」を行いました。
 漁船に搭載される無線機器は、電波を発信する漁業用無線機及びレーダーがあり、特に延縄、底びき網や船びき網など、海上を広く移動するような漁業を行うには必須の機器となっています。試験に合格し、第二級海上特殊無線技士(略称:二海特)の資格を所有すれば、沿岸漁業で利用するほとんどの無線機器を活用することができるようになります。
 今回の講義では、問題の半分ずつを占める法規及び無線工学について、テキストを用いて分かりやすく解説いただくとともに、2期分の過去問の模擬試験を実施し、出題傾向や間違いやすい問題の詳しい解説をしていただきました。また、より知識を深めるため、水産会館近くに停泊中の科技高実習船「阿州丸」に移動し、無線機やレーダーの実機を用いて使い方や注意点の説明を受けました。阿州丸には遭難時に遭難信号等を無線発信する「レーダートランスポンダ」が搭載されており、この機器を扱うにも二海特資格が必要とのことで、実機を用いた講習は、研修生にとってとても有意義な研修となりました。
 二海特資格はこれまでは筆記試験方式でしたが、近年、CBT(Computer Based Testing)方式による随時申し込みによる特定会場でのパソコン受検に変更となり、今後進捗状況に応じて研修生が各自申し込んで受検することとなりました。研修生は今回の講義内容や過去問、必要に応じ市販テキストなどを使用し勉強に励み、本番の試験にそなえることになります。
 最後に、長時間丁寧に教えていただいた徳島県立徳島科学技術高校 記本教諭に心よりお礼申し上げます。
授業を受ける研修生
 マリンピア停泊中の阿州丸。奥にとくしま漁業アカデミー事務局が入る「徳島県水産会館」が見えます。
  阿州丸内でレーダーや無線機の説明熱心に聞く研修生
  二海特免許が必要なレーダートランスポンダの説明もしていただきました。



令和6年度第8期漁業アカデミー研修生募集! (募集期間:R5.8.1~R6.2.29)

 とくしま漁業アカデミーでは、令和5年8月1日より令和6年2月29日までの期間、令和6年度第8期研修生を募集(7名程度)しております。

 とくしま漁業アカデミーで漁業に関する知識や技術を学び、徳島で漁師を目指しませんか!!!

 詳しくはこちらをご覧ください。

 ◯ 徳島県HP とくしま漁業アカデミー令和6年度第8期生募集
 ◯(公財)徳島県水産振興公害対策基金HP






令和5年7月の漁業アカデミー

  令和5年7

 暑さも盛りとなり、県南美波町由岐地区では6月から、阿部や伊座利地区では7月に入り海士漁が解禁され、アワビやトコブシ漁が本格化します。県北では定置網や小型底びき網漁などが盛んにおこなわれ、ブリ養殖も春に採捕されたモジャコが水温上昇とともに餌を盛んに捕食し、大きく育っていく時期になっています。アカデミー研修生は、県北の北灘漁協と県南の阿部漁協で実習を行いました。

〇進路選択オリエンテーション4(北灘漁協 7/4~7)

 場所:鳴門市北灘町
 内容:北灘漁協 小型定置網、魚類養殖、小型底びき網実習
 参加研修生:一般コース3名
 7月4日(火)から7日(金)まで、研修生3名が参加し、北灘漁協所属漁業者の指導の下、初日にオリエンテーションを実施し、2日目以降、小型定置網(底定置網)、魚類養殖及び小型底びき網実習を行いました。今回の研修では研修生が3班に分かれ、日替わりで3つの違った漁業種類の実習を行いました。
 初日のオリエンテーション。研修生は組合長及び参事から北灘地区の漁業などについて説明を受けました。

①小型定置網実習
 北灘の定置網は椿泊同様底定置の方式で、同漁法は過去に椿泊地区から導入されたとの話を伺いました。同じ漁法でも場所によってルールや設置場所が異なることなどを体感し、研修生にとっては良い経験となりました。
 椿泊地区に比べ漁場が近く、つぼ網の数が多いことが特徴で、当日は沖の網ほどミズクラゲが多く、除去作業に苦労しました。また、漁獲されたカワハギ・ウマヅラハギの一部は魚類養殖小割に網掃除用として有効活用されており、定置網漁と魚類養殖業のかかわりも学ぶことが出来ました。当日の操業工程は次のとおりでした。

【操業行程】
〇出港 → 漁場到着 → つぼ網の網揚げ → 網から漁獲物の掬いとり(クラゲ除去)・選別 → つぼ網戻し → 次の網へ向かう → 同様作業の繰り返し → 漁獲終了後、帰港(この日は魚類養殖小割への立ち寄り) → 出荷作業
 乗組員からロープの巻き取り方を学びました。
 つぼ網の網揚げ実習を行いました。
 活魚出荷するハマチや大形マアジなどは活け間に生かしたまま入れます。
 漁獲物の一部。ヨコスジフエダイ、シログチ、チダイなど。
 カワハギやウマヅラハギは活けで出荷されるほか、ハマチ等養殖魚類小割に網掃除用として入れることもあります。
 帰港後、水揚げ作業の実習も行いました。


②魚類養殖実習
 魚類養殖は、当地で広く行われているブリ養殖について実習し、主に午前中に沖作業が実施されます。今回研修生が乗船させていただいた作業船は、当歳魚(モジャコ)が入っている小割担当となっており、へい死魚回収及び給餌作業をさせていただきました。 魚類養殖は今回の初めて経験する業種となり、その規模の大きさと給餌量の多さは想像以上のものであり、研修生にとって大変良い経験になりました。

【作業工程】 
〇餌等を積み込み出港 → 小割到着 → へい死魚の回収・計数 → 給餌 → 次の小割に移動 → 同様の作業の繰り返し → 作業終了後、帰港
 漁港に停泊中の魚類養殖用作業船
 養殖生簀に到着、作業実施前にロープで船を生簀に固定します。
 今年生簀に入ったばかりのブリ当歳魚(通称:モジャコ)への給餌作業。魚の動きを常に確認しながら給餌します。忙しい中、乗組員の皆様には研修生の質問等に丁寧に答えて頂き感謝です。
 沖に向かって区画漁業権内に一直線に大型生簀が並べられ、複数の作業船が同時に給餌作業を行っていました。

③小型底びき網実習
 播磨灘の小型底びき網は、研修時は主に小エビ(サルエビの他トラエビ、アカエビ等)狙いでの操業が行われており、午前3~4時頃の出船、午前8~9時の帰船となりました。
 今年はミズクラゲがこれまで経験ないほど異常に湧いており、今回の研修直前まではクラゲの大量入網により全く漁にならなかったとのことですが、幸運なことに研修中の操業ではほとんど入網がありませんでした。クラゲは悪影響ばかりでなく、ボウゼやマナガツオの餌になることから、秋の漁に期待です。
 当日の操業工程は次のとおりで、底びき網漁は今回の研修で初めて経験する漁となり、研修生にとって大変良い経験になりました。

【操業工程】
〇風・波等を確認し、出港判断 → 氷等漁船へ積み込み → 出港→漁場到着 → 網入れ(1回目) → 曳網 → 網揚げ → 網入れ(2回目) → 曳網・漁獲物選別 → 網揚げ → 帰港 → 漁獲物選別 → 陸揚げ → 箱立て → 出荷
 明け方に出港し、漁場へ向かいました。
 漁場に到着後、真っ暗な中で網を海中に入れ、曳網します。
 この日の1回目は2時間程度曳網し、明るくなってから網を引き揚げました。
 漁獲物はコエビ(アカエビ、トラエビ)が多く、そのまま出荷され生のほか、ボイルされて県内のスーパー等に並びます。また、徳島名産「干しエビ」の原料にもなります。
 漁獲した小エビなどは海水で綺麗に洗浄し、発泡スチロール箱に約4kgづつ入れ、魚市場等に出荷されます。

 今回の北灘漁協での実習は、研修生からは同じ漁場で違った3漁業種類を経験出来てとてもためになったとの意見がありました。また、お世話になった漁協関係者からは長期研修や就業に関していつでも相談に乗ってほしい旨話もあり、この場をお借りして北灘漁協の関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。


〇進路選択オリエンテーション5(阿部漁協 7/18~20)

 場所:海部郡美波町阿部
 内容:阿部漁協 海士(素潜り)漁実習
 参加研修生:一般コース3名、専攻コース1名

 7月18日(火)から20日(木)まで、阿部漁協所属漁業者の指導の下で海士漁(素潜り)実習を行い、研修生4名が参加しました。
 阿部では毎年素潜りによる海士(あまし)漁の研修を実施していただいており、今年度においても研修を受け入れていただきました。近年地先のアワビ類漁獲量はかなり減少しており、資源管理に関する講演会も実施することとしました。なお、漁業法の規定により、特定水産動植物に指定されたアワビ類を採捕する場合は特別な許可が必要となるため、研修にあたっては阿部漁協から採捕の同意を得るとともに、特定水産動植物採捕許可事務処理要領に基づく許可のもと実施しました。
 初日午前には徳島水研OB小島 博博士が講師となり、「海士漁業におけるアワビ類の資源管理について」と題して講演会を実施し、研修生をはじめ漁協関係者ほか計27名が参加しました。アワビ類の資源管理の大切さ、禁漁区及び禁漁区設定後の管理の重要性について講義いただき、参加者は熱心に受講しました。午後から素潜り講習の予定でしたが、波が高く中止となりました。
 美波町阿部漁港の風景
 漁協前に設置された講習案内
 講義を行う小島博士
 講演を熱心に聞く研修生や漁業関係者。他地区のアカデミー卒業生や漁業関係者にも参加いただきました。

 2日目はアワビ禁漁区への稚貝放流と素潜り実習を実施しました。県有種苗生産施設で生産されたクロアワビ30㎜サイズ1,300個を、若手講師から説明を受けた後に海に入り、放流作業を行いました。途中、講師から現場にいるアワビやイセエビの居場所を教えていただくなどし、1時間半程度で放流作業及び素潜り実習を終了しました。終了後、はじめて素潜りを経験した研修生からは「思ったより息が続かなかった。」「慣れないと水中でアワビを見つけるのはかなり難しい。」などの意見が出ましたが、実際の目で状況を確認出来たこともあり、とても良い経験になったとの意見が多くありました。
 県栽培漁業センターよりクロアワビ稚貝を受け取りました。
 漁船に乗船し、放流場所へ向かいます。
 研修生は講師の指示に従い、放流場所まで泳いで移動しました。
 クロアワビ稚貝は岩の隙間などに丁寧に放流しました。

 海中の岩の下にはアワビやイセエビの姿も見ることが出来ました。

 最終日は海士漁が行われ、経験者の専攻コース生1名は沖で本格的な漁体験を、未経験の一般コース生3名は近場の浅瀬で漁体験を行いました。阿部漁協では県規則より厳しいサイズ規制を実施しており、クロアワビ10cm未満(県規制9cm)、メガイアワビ11cm未満(県規制10cm)、トコブシ4cm未満(県規制3cm)を漁獲禁止(漁獲サイズに満たないものは阿部では特別に”トーラン”と呼ばれています。)とし、徹底されています。
 素潜り実習は実質4時間程度の短い時間でしたが、専攻コース生は通常潜ることができない他漁場での漁体験ができたこと、一般コース生3名は実際の素潜り漁を初めて体験出来たこと、漁獲から出荷までの一連の作業を経験出来たことに加え、先に実施済みの伊座利大敷網実習でお世話になった阿部の漁業者が複数名おり、研修生とも顔見知りになっていたこともあり、和気あいあいと全体的に充実した実習になりました。
 講師と船外機で漁場へ向かう専攻コース生
 一般コース生3名は陸から素潜り漁実習を行いました。
 研修当日は一見べた凪でしたが、時折大きな波が押し寄せる状況でした。専攻コース生は地元漁業者と同じ沖合のポイントで実習しました。
 操業実習後、組合長から荷受け時の注意点などを学びました。
 アワビのサイズを測る”寸(すん)”と漁獲サイズにギリギリ満たないクロアワビの”トーラン”。ほとんど混じることはないそうですが、混じったトーランは禁漁区へ再放流されます。
 研修生は計量・仕分け作業の実習も行いました。

 最後にこの場をお借りし、猛暑の中、小島博士、組合長はじめ漁協関係者方々には大変お世話になり、心よりお礼申し上げます。