5回目の現場実習 その2 ぱっち網漁業編

椿泊での現場実習の2漁業種類めは,ちりめんじゃこの原料である「いわししらす(カタクチイワシ,マイワシなどの稚魚)」を漁獲する「ぱっち網」です。
「ぱっち網」は,小型漁業の多い徳島県では,比較的規模の大きな漁業で,「ジャッカー」と呼ばれる魚群探索兼漁獲物運搬船1隻と,「網船」と呼ばれる網を曳く船2隻の,計3隻が1船団となり漁を行います。
まずジャッカーが魚群を探索し,魚群を見つけたら,網船が網を曳いて漁獲する。 → 漁獲したいわししらすは,鮮度保持のため,ジャッカーに積み込み,ジャッカーが陸まで運搬して陸揚げ(場合によっては加工場へ搬入)する。 → その間,魚群がまだ残っていたら網船が漁獲する。 と,このような繰り返しが行われます。

ジャッカーから見た網船。2隻の網船で1つの網を曳いています(写真奥の方に網があることになります)。

魚群がおおむね網の中に入ると,曳網を終了し,2隻の網船は接舷します(これで網の口はほぼ閉じられることになります)。

しらすは,網の一番奥の部分(「魚採り」などとも呼ばれます)にたまっているので,それをジャッカーに引き寄せます。

網から魚採り部分をとりはずし,その中のいわししらすを船に取り込む準備。

魚採り部分の中のいわししらすを,たま網で掬います。水色の網は,この「たま」の網の部分です。実はこの網は非常に長くて,,,,

掬い終えたら,たま網の柄(口)を機械で上に持ち上げることで,かたくちしらすは長い網の中を通過していって,写真左の船倉部分に収納されます。

鮮度保持のために氷を入れます。準備ができたら,ジャッカーは港に戻ります。

陸揚げにはフィッシュポンプを利用します。

この実習期間中から7月中旬にかけて,徳島県紀伊水道海域では,しらすが大漁でした。お世話になった漁業者さんは,自らしらすの加工も行っているのですが,加工場もフル稼働でした。

=======================
※ たまたまほぼ同じ時期に同じ漁業者さんが出荷した「ちりめん」を,阿波ふうどスペシャリストの方が酢の物にして食べておられたようです(実習の時に漁獲したものかどうかは不明ですが)。こちらをご覧ください。