【徳島大学との連携講座】陸上における海藻培養の技術開発と多角的利用

  徳島県,徳島大学,阿南高専は,平成28年7月15日に「徳島県,国立大学法人徳島大学及び独立行政法人国立高等専門学校機構阿南工業高等専門学校との徳島県水産業の成長産業化及び関連産業の振興に関する協定」を締結し,それに基づく「連携・協力事項」の1つとして,「地域や水産業を支える人材の育成に関すること」が挙げられています。

 8月21日に,徳島大学のご協力のもと,同大学大学院社会産業理工学部(生物資源産業学領域)岡直宏先生を講師に迎え,鳴門市瀬戸町にある徳島大学水圏教育研究センターで,「陸上における海藻培養の技術開発と多角的利用」のテーマで研修を行いました。

 岡先生は,現在までに,藻類や種苗生産に関する非常に多くの経歴をお持ちの方で(岡直宏先生のプロフィールについてはこちらをご覧ください),午前中は,そんな岡先生が,今まで行ってきた業務の内容について講義をしていただきました。特に「食品としてだけではなく,機能性食品の原材料やイベント時のアイテム,観賞用など,いろいろな方向への販路を複数準備しながら技術開発を行う」という考え方と,それに基づく成果については,研修生一同非常に興味深く感じたところでした。


 午後からは,現在先生が実施している紅藻「ミリン」の研究に関する実習を行いました。

陸上水槽で培養している「ミリン」。ミリンは陸上水槽でも比較的容易に増えるので,食品やアワビ等の飼料など,さまざまな利用方法が見込まれる藻類です。

「ミリン」を食品として利用するにあたり,試食を。。。シャキシャキしていていくらでも食べられそうでした。

現在ミリンの効果的な増殖方法を研究しているとのことで,そのお手伝いをさせていただきました。時間を変えて様々な大きさに裁断したミリンをシャーレに入れる作業。

岡先生の研究室では,ミリン以外の藻類もあります。これはマコンブ。なお,コンブは北海道のものと思われがちですが,徳島県でも一部の地域でコンブが養殖されています

 海藻は,水中の栄養分と光(と好適水温)があれば生長します。そこで,岡先生は,過去に観賞用海藻として「ぷちも」という商品を開発し,一時期はバカ売れしたそうです(ネットで検索してみると,今でも販売している様子です)。最後その「ぷちも」を作成し,この日の研修は終了しました。


水産物の消費拡大について その2 食品衛生責任者養成講習会の受講

【ここに記載の内容は平成29年8月現在の,徳島県内についてのものです。この記事をご覧になった時点や地域においては,関係法令や必要な資格が記載内容と異なっている可能性もありますので,ご注意ください】

 水産物の消費拡大にあたっては,「消費者に食べてもらう」ということも重要です。そのためには,加工や調理が必要ですが,業としてこれらを行う場合は,食の安全の観点から,様々なルールがあります(詳細はこちらをご覧ください)。
 このルールの中で,「人」にかかわるものとして必須なのは,「食品衛生責任者の資格」であり,例えば「食品衛生責任者養成講習会を受講する」必要があります。
 というわけで,研修生は,8月16日にこの講習会を受講してきました。

受講会場の「ろうきんホール」

こちらです。会場をのぞいて見ると,会場いっぱいに約100名の受講生がいました。高校生も多数みられました。

教材はこちら。1日間の講習を受け,研修生全員「修了証明書」を受領しました。

後日,食品衛生責任者のプレートが送付されてきました。まだ実際の食品営業はしていませんが,近い将来このプレートを掲示する日も来ると思われます。



8回目の現場実習 その3 小型底曳網漁業編

小型底曳網漁業実習も行いました。

播磨灘の小型底曳網漁業は,夜間操業はありません。早朝5時頃に出港です。

1回目の曳網中は比較的余裕があります(2回目以降では,漁獲物の選別作業をしながら曳網します)。

そろそろ網を引き揚げます。選別を行う場所を,あらかじめ海水で洗っておきます。

網があがってきました。

今回の狙いは小エビ類。エビ狙いの場合は,目合が比較的小さな網を用いるので,選別作業が少々大変です。

一口に「小エビ」といいますが,サルエビ,アカエビ,キシエビ,トラエビなど,複数の種類がまじっています。

午前中に帰港。

このほか,北灘では,小型定置網の実習も行いました。
北灘漁業協同組合の皆様,ありがとうございました。




8回目の現場実習 その2 魚類養殖業・出荷作業編

魚類養殖業の実習のうち「出荷作業」です。

出荷は生簀ごとに行います。四角形の生簀の4辺に一隻ずつ船が張り付きます。

4隻のうち1隻は「生船(なません)」と呼ばれる大きな運搬船です。生簀の中の魚を,生きたままこの生船の生簀に収容していくことになります。

魚を取り上げるため,生船に向かって,生簀をどんどん絞っていきます。

これくらいまで絞り込むと,遊泳スピードの速いハマチも,網で掬うことができるようになります。

生船に装備されている巨大な網でハマチを救い上げます。

どれくらい巨大な網かというと,これくらい巨大。写真の右の方に向かってロープが1本のびていますが,このロープは網の底を閉める役割があり,ロープを緩めると底が開いて魚が生簀に落下していく,というシステムです。

他の生船も来ていました。






8回目の現場実習 その1 魚類養殖業・給餌作業編

8回目の現場実習は鳴門市北灘で実施。
徳島県には,海況も漁業実態も異なる3つの海,すなわち「太平洋」「紀伊水道」「播磨灘」があり,順次現場実習を行ってきましたが,今回は,最後の「播磨灘」での実習となります。
この地区は,徳島県最大の,ハマチを中心とした魚類養殖業のメッカです。その魚類養殖業の実習,まずは「給餌作業」です。

魚類養殖の生簀。

遠景だとこんな感じ。

早朝,港に,餌(配合餌料)を満載したトラックが到着。

餌を,次から次に船に積み込んでいきます。

配合餌料のほか,イワシ,イカナゴなどを冷凍したもの(配合餌料に対し「生餌(なまえ)」と呼びます)を給餌する場合もあります。

出港から漁場に着くまで(漁場に着いてからも),ひたすら配合餌料を開封し「自動給餌機」にセットする作業が続きます。配合餌料は一袋20kg入り。腰を痛めないように注意が必要です。

自動給餌機にセットされた餌は,空気圧で,パイプを経由して生簀に撒かれます。
この給餌作業は,だいたいお昼頃まで続きます。給餌は1日1回です。

自動給餌機の構造に興味を持った研修生。







7回目の現場実習

7回目の現場実習は,7月24日から28日にかけて,小松島市和田島でぱっち網漁業の実習を行いました。

小松島市和田島は,県内のぱっち網漁業の一番の拠点。港内にはぱっち網の漁船が並びます。

操業に使われる「ぱっち網」。相当な大きさです。

出港は早朝。

漁獲状況にもよりますが,お昼前には,漁獲物を載せた運搬船(「ジャッカー」)が戻って来ます。この間,魚群があれば,網船は沖で操業中。

漁獲された「しらす」は,新鮮なうちに加工場に運ばれます。

洗浄・ボイル・機械乾燥までは自動で行われますが,和田島では「天日干し」を行っており,その部分は手作業となります。まずは機械から出てきたしらすを「ざる」に入れます。

天日干し作業も研修させていただきました。

和田島漁協の皆様,ありがとうございました。
和田島漁協のホームページはこちらです。