2回目の現場実習

2回目の現場実習は,鞆浦漁協での「大敷網」。1~2名で操業する小規模漁業が多い徳島県のなかで,珍しく10名以上で操業する漁業です。海中に網を垣根のように設置し,魚がそれに沿って泳いでくることによって,気がついたら逃げられない網の中に入り込んでしまっている,大まかにはそのような漁法です。海の状況が良ければ,朝と昼の2回,揚網して魚を水揚げします(それぞれ「朝もち」「(昼なのに)晩もち」と呼びます)。
実習は,5月15日から19日までの間で実施しました。
 
まずは大敷網の構造を学びます。


これからの出漁に向け,思いをはせる。。。

というわけで「朝もち」に出漁。港を出るのは夜明け前。魚倉(漁獲された魚を入れるところ)には,あらかじめ砕いた氷を積み込んでいるのですが,互いにくっついてしまっているので,それをザクザク砕きます。なかなかの重労働ですが,漁獲物の鮮度保持のために重要な作業です。

漁場が近づくにつれて夜が明けてきました。
 
 
 
いよいよ揚網。


魚が見えてきました。大敷網には,マグロやブリが入ることもありますが,今回は残念ながらいないようです。でもマダイやイシダイなどの高級魚も入っていました。「活魚」で流通させる高級魚は船の「生け簀」に収容し,それ以外は先ほどの魚倉に入れます。

港に戻って来ました。出港から帰港まで1時間強でした。魚倉から漁獲物を陸揚げします。

この後は魚の「選り分け」と出荷が待っています。

今回の実習では,天候に恵まれ,合計8回の網揚げが経験できました。

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鞆浦漁協の職員の方がブログで情報発信をしています。漁協や漁村の生活が垣間見えるブログです。あと,鞆浦漁協に水揚げされる魚を使った料理がおいしそうです。
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はじめての現場実習

徳島県では多くの種類の漁業が営まれています。一口に「漁業に就業する」といっても,漁業種類により操業形態は様々で,自分に「合った」漁業種類は何か,ということをあらかじめ知っておく必要があります。
そこで,とくしま漁業アカデミーでは,研修生の希望する漁業種類を見極めてもらうため,研修期間の前半にできるだけ多くの漁業種類を体験する「進路選択オリエンテーション」を実施しています。
というわけで,4月24日から28日までの1週間は,宍喰漁協の皆様のご協力のもと,イセエビを漁獲する「エビ刺網」,いろいろな種類の魚を漁獲する「小型定置網」の現場実習を行いました。
もちろん,必要な漁具の補修や漁獲物の選別・出荷作業も「込み」です。



小型定置網で漁獲されたイワシ・アジなどを出荷前に選別

イセエビ漁出漁を前に,漁具(刺網)についてのレクチャーを受ける


イセエビ漁から寄港して,網からイセエビをはずす作業。ここで傷をつけると価格が大きく下がるので,慎重にかつ素早くする必要があります。

最後に次の出漁に備えて網を掃除しながら折りたたみます。

漁獲したイセエビ。網を入れた場所により,漁獲量は大きく変わります。

天候不順のため,その場その場で臨機応変にメニューを変更しながら,事故もなく無事終えることができました。


いきなり現場になじんで,市場でニザダイ(宍喰では「クロハゲ」と呼びます)を〆る研修生。

研修がスタートしました

入学式の翌日,4月20日から,研修が本格的にスタートしました。
20日は水産研究課美波庁舎で「漁業入門」の講義と同庁舎の見学,21日は水産研究課鳴門庁舎で「徳島県の漁業の概要」の講義と同庁舎の見学が行われました。

美波庁舎は,平成29年3月に,研究・防災棟の改築と本館の耐震改修が完了し,今後のもうかる漁業には必要不可欠であるとして整備された6次産業化の研究室や藻類培養施設,アワビ飼育施設などを見学しました。

鳴門庁舎では,徳島県の誇る「鳴門わかめ」の品質・収量向上のための,高水温化対応品種の開発などで成果をあげており,今後の藻類養殖に繋げる新技術開発について説明をしていただきました。

ご協力いただいた水産研究課の皆様,ありがとうございました。

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徳島県水産研究課の詳細はこちらをご覧ください。
http://www.pref.tokushima.jp/tafftsc/suisan/