令和6年11月
11月に入りました。ようやく暑さも和らぎ、日によっては秋を通り越し一気に冬の様相を呈するようになってきました。研修生は親方についてのインターンシップ研修が2カ月目に入り、本格的に現場での漁業研修をこなしています。今月はオープンキャンパス、フェア、セミナー等様々なイベントも実施されました。
〇ブルーカーボン推進セミナー(11/16)
場 所:四国大学 共通講義棟1F大講義室(徳島市応神町)
日 時:令和6年11月16日(土)13~16時
県水産研究課主催で実施されたブルーカーボン推進セミナーに、事務局のほか研修生1名及び卒業生2名が参加しました。ブルーカーボンの概念には海藻養殖業も関係しており、特に今年度のアカデミー研修生は5名中4名がワカメ養殖に関係しています。本県ではブルーカーボンの概念は広く知られているとはいえませんが、国や水研機構が主体となって設立されたジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が中心となり、特にカーボンオフセット事業の概念や取り組みを全国に広げているところであり、今回のセミナーもその一環で実施されました。
新たに藻場造成を行うなどした場合、算定式により算出されたCO2吸収量をクレジットとして発行し、活動に賛同する企業等がそれを購入し、オフセットするとともにその活動を支援するカーボンオフセット事業の海洋版となります。海藻養殖の場合、収穫して陸上に上げ、食料に加工し最終的にCO2として排出されるため、海中で養殖している間に固定され海中に排出されたCO2のみが対象となるようです。今後、本県においても本格的な取組普及が考えられること、アカデミー研修生も海藻養殖や藻場造成活動等で何らかの形で係わっていく可能性が大いにあることから、アカデミーとしても次年度の研修項目にするなど、事務局で検討したいと考えています。
会場の様子。研修生・卒業生も熱心に受講しました。
〇フォークリフト運転技能講習②(11/9-10、16-17)
場所:徳島市東沖州 中央技能講習所株式会社
参加研修生:専攻コース1名
とくしま漁業アカデミーでは、漁業就業に役立つ資格取得を実施しており、その一環として、フォークリフト運転技能講習を研修生4名が令和6年8月に受講したところですが、参加できなかったI研修生が今月受講しました。
漁業での陸上作業において、漁船から荷捌き施設への漁獲物や漁具・氷の漁船への運搬の際、最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転・操作に従事する際に必要な資格となり、今後、本県で漁業者として従事していくうえで非常に重要な資格といえます。
I研修生は11月9日に学科講義・試験を、11月10,16-17日の3日間実技実習を受講し、最終日に実技修了試験を受験し無事合格しました。
〇とくしま漁業アカデミー第8期研修生 研修情報⑤
取材日 令和6年11月11、18、22日
場 所 阿南市椿泊町 椿泊漁港
KH研修生は椿泊漁協で小型定置網やイセエビ刺網漁でインターンシップ研修中ですが、11月の研修状況について紹介します。
現在、天気の良い日は小型定置網漁に加え、新月(闇夜)廻りはイセエビ刺網漁を実習しています。また、時間のある時は、タコカゴの補修、イセエビ刺網の補修や小型定置網の網洗浄実習と、忙しくしているようです。
小型定置網の洗浄実習風景。量が多く何日も作業が続いたようです(R6.11.22)
徳島県では今だ珍しい小形の「テンジクタチ(別名:キビレタチ)」が小型底びき網により漁獲されたとのことで、漁協職員さんから調査研究用に受け取りました(写真下、R6.11.22)。温暖化の影響か、鹿児島や隣の高知県では普通のタチウオに代わり、現在テンジクタチが主流になってきているようです。豊洲市場等ではテンジクタチは通常のタチウオと変わらない単価で取引されるようです。激減したタチウオに代わり、本県でもテンジクタチが普通に漁獲され、漁業者の対象魚種になる日も近いかもしれません。
イセエビ刺網や小型定置網により漁獲され荷捌き場に水揚げされたカワハギ類(R6.11.22)
同様に水揚げされたグレ、カサゴやタカノハダイなど(R6.11.22)
同様に水揚げされたアイゴ(R6.11.22)。今年度、鮮魚出荷分以外のアイゴは駆除の意味合いも兼ね50円/kgで買い取られ、魚粉に加工する事業が水産関係団体により実施されています。
徳島県では今だ珍しい小形の「テンジクタチ(別名:キビレタチ)」が小型底びき網により漁獲されたとのことで、漁協職員さんから調査研究用に受け取りました(写真下、R6.11.22)。温暖化の影響か、鹿児島や隣の高知県では普通のタチウオに代わり、現在テンジクタチが主流になってきているようです。豊洲市場等ではテンジクタチは通常のタチウオと変わらない単価で取引されるようです。激減したタチウオに代わり、本県でもテンジクタチが普通に漁獲され、漁業者の対象魚種になる日も近いかもしれません。
イセエビ刺網や小型定置網により漁獲され荷捌き場に水揚げされたカワハギ類(R6.11.22)
同様に水揚げされたグレ、カサゴやタカノハダイなど(R6.11.22)
同様に水揚げされたアイゴ(R6.11.22)。今年度、鮮魚出荷分以外のアイゴは駆除の意味合いも兼ね50円/kgで買い取られ、魚粉に加工する事業が水産関係団体により実施されています。
〇とくしま漁業アカデミー第8期研修生 研修情報⑥
情報提供 令和6年11月21日(木)
情報提供者 KT研修生
場 所 鳴門市北灘町 櫛木漁港
鳴門市北灘町櫛木地区で研修中のKT研修生から、現在のワカメ養殖の様子について情報をいただきました。今月は養殖枠へのイカリ打ち作業に始まり、浮子の作成・設置等養殖用ロープの張り込み準備を経て、水温等の関係から例年より遅れているようですが、11月20日頃からワカメ種糸のロープへの挟み込み(種付作業)、養殖用ロープの沖での縄張り作業を精力的に順次実施しているとのことです。
とくしま漁業アカデミー2期生の西内さんが、令和6年11月23日の徳島新聞「挑戦と成長」欄に掲載されました。西内さんは地域一番の若手漁師として頑張っています。
〇とくしま漁業アカデミーオープンキャンパス(県南コース)
アカデミー入学希望者など、本県での漁業就業に興味のある方を対象に、次のとおりオープンキャンパス(県南コース)を開催しました。
開催日時 令和6年11月24日(日) 6:00~8:50
開催場所 海部郡海陽町 鞆浦漁協
参加者 9名
AM6時前より、鞆浦漁協河野組合長の案内で旧漁協事務所2階に移動し、模型を用いて大型定置網(現地名:大敷網)の説明を受けました。設置後の完成型は2段落とし網を陸側と沖側の2か所に設置するそうですが、漁期が今月始まったばかりであり、沖側の落とし網設置はこれからで、現在は陸側1か所を設置した状態との説明がありました。鞆浦大敷網は乗組員は通常本船13名、小型の中船(なかぶね)3名の計16名体制で漁を行っていますが、現在欠員があり、可能な限り組合長も乗り組んでいるそうです。当日は波は高くなかったが北風が強く、気温が急に下がると潮の流れが早くなる場合が多いそうで、21日(木)頃から上り潮(西から東向きの潮の流れ)が強い状態が続いており、上り潮が強いと網持ちできず、出戻りの可能性もあるとのことでした(当日は陸からは判断できず)。組合長の説明終了後、参加者は救命胴衣及びヘルメットを着用し、全員が本船に乗り込み6時過ぎに出港となりました。漁場は近く、港から5分程度で現場に到着しましたが、説明にあった通り、現場では上り潮が速く、目印(海面上に建てた竹)周辺の浮子が沈んでおり、網持ち不可能との判断で残念ながら出戻りとなりました。
帰港後、組合長から漁港施設の説明を受けるとともに、小型定置網漁獲物(アオリイカやカンパチなど)の水揚げ作業や8:20からの入札を見学し、組合長にあいさつの後、解散となりました。
当日は大敷網漁の見学・体験は残念ながらできませんでしたが、その他漁業の漁獲物や入札見学を実施することができました。
最後に、快く対応いただいた河野組合長はじめ大敷網乗組員の方々、関係者の皆様にお礼申し上げます。
※鞆浦漁協に関係するHPがありますので、興味ある方はご参考下さい。
なお、鞆浦漁協の大敷網は一般の方でも体験漁業ができますので、興味ある方は是非ご体験下さい。