令和6年10月の漁業アカデミー


     令和6年10

 10月に入っても引き続き暑い日が続いており、台風も月初めの17号による影響が心配されましたが、沖合を通過し直接の被害はありませんでした。
 今月から研修生は、特定の漁業者を指導者(親方)として現場で漁業実習を行う半年間のインターンシップ期間に入りました。専攻コース2名はアカデミー入学時から決まっていた親方の下、一般コース3名はそれぞれ進路選択オリエンテーションでの実習を受けるなどして決定した親方の下、研修に取り組んでいます。なお、9月に予定していた日和佐町漁協でのイセエビ網漁実習は予定していた日に天候不良のため出漁できず、残念ながら今年度も中止となりました。
 漁業アカデミーでは、来期や今後の入学希望者の参考になるよう毎年オープンキャンパスを実施しており、今年度は北部コースを今月実施しました。


〇各研修生のインターンシップ(10月から翌年3月まで)

 専攻コース2名はそれぞれ堂浦漁協及び和田島漁協で、一般コース3名は北灘漁協(2名)及び椿泊漁協で実践的な研修に鋭意取り組んでいます。
 アカデミー事務局では今後、各研修生の研修状況について現地へ足を運んで取材し、研修生間で共有するとともに、情報発信していく予定です。

〇北灘漁協HP

〇北灘・堂浦漁協関係(鳴門市HP:鳴門市水産振興計画R4.3)
https://www.city.naruto.tokushima.jp/_files/00448291/suisanshinko.pdf

〇和田島漁協HP

〇椿泊漁協HP


〇とくしま漁業アカデミー第8期研修生 研修情報②

 取材日 令和6年10月11日(金)AM
 場 所 鳴門市北灘町 櫛木漁港

 10月から、専攻コース2名はそれぞれ堂浦漁協及び和田島漁協で、一般コース3名は北灘漁協(2名)及び椿泊漁協で実践的な研修に鋭意取り組んでいます。
 今回、北灘漁協櫛木地区を訪ね、当地で就業を予定している8期生のKT研修生に話を聞きました。KT研修生の親方は漁業アカデミー1期生の卒業生で、アカデミー卒業生が親方となる初めてのケースとなります。なお、すぐ近くでは先月取材した7期生のM卒業生も親方と作業を行っておりました。11月頃から沖出しが開始予定のワカメ養殖に関し、養殖用ロープの準備作業等をK研修生が精力的に行っておりました。10月を過ぎても暑い日が続いており、先月に引き続き作業は無理をせず朝の涼しい時間帯で実施しているとの話でした。この日の鳴門市北灘地区の地先水温は例年より高水温で推移しており、まだ25℃を上回っている状況で、種付け作業は遅れるだろうとの話でした。インターンシップ研修に入り、だいぶ作業も慣れてきたとのことでした。

 ワカメ養殖用ロープの準備作業を行うKT研修生
 ワカメ養殖用ロープの準備作業を行うM卒業生
 作業中のM卒業生の親方とK研修生


〇とくしま漁業アカデミーオープンキャンパス(県北コース)

 アカデミー入学希望者など、本県での漁業就業に興味のある方を対象に、次のとおりオープンキャンパス(県北コース)を開催しました。

 開催日時 令和6年10月19日(土)6:00~8:00
 開催場所 徳島市漁協
 参加者  5名(アカデミー受験予定者3名含む)  前日の判断で出漁可能となり、当日は5:30受付で津田漁港に現地集合で実施されました。参加者全員が揃った6時前より、主催者である県水産振興課担当からの説明のあと徳島市漁協林組合長の挨拶をいただきました。その後、組合長子息が船長を務める小型底びき網漁船に、組合長及び参加者が乗船しました。この日は天候が下り坂で、沖合は風が強くうねりも入りつつあるため、水深20m程度の近場を短時間操業することとなりました。6時頃出港し、漁港から東北東約3海里沖(和田島灯台沖北北東2海里あたり)に到着後、6:30頃から東側に向けて曳網を開始しました。船速約2.3knotで曳網し、約40分後の7:05頃から揚げ網を開始、10分程度で網揚げ作業が終了しました。作業の間、船長及び組合長の指示により、参加差は邪魔にならず安全な場所で見学を行ったあと、参加者は選別体験を行いました。今回の操業での漁獲物は、エソ2kg程度、シロ及びクロサバフグ10尾程度、アカカマス15尾程度、ボーゼ1尾、イトヨリダイ1尾、シリヤケイカ10杯程度、コウイカ1杯、カミナリイカ1杯、その他シュモクザメ幼魚及びトビエイ幼魚各1尾、ギンカガミ数匹、スナヒトデ10尾程度、ミズクラゲ1匹と、全体的にあまり漁獲がありませんでしたが、特に底びき網漁が初めての参加者は良い体験になりました。その後、8時過ぎに帰港し、挨拶の後、当初の予定より早く終了し解散となりました。当日は早めに切り上げたこともあり、天候が悪化する前に全ての予定を終えることができ、また、参加者もケガ等なく無事体験できました。  この場をお借りし、主催者である徳島県水産振興課、徳島市漁協林組合長、林船長、木下参事はじめ関係者の皆様にお礼申し上げます。

 県北コースの紹介パンフ
 実施前に水産振興課担当による概要説明と組合長による挨拶がありました。
 お世話になった小型機船底びき網漁船(11t)
 網入れ時の様子。組合長及び船長の指示により安全かつ操業の邪魔にならない場所で見学しました。
 曳網時の船首方向の風景。綺麗な朝日でした。
 網揚げ時の様子
 漁獲物の選別を体験しました。
 小さいシュモクザメも入網しました(このサイズは人に危害を与えません)。
 帰港後、挨拶をして現地解散となりました。


〇とくしま漁業アカデミー第8期研修生 研修情報③

 情報提供  令和6年10月
 情報提供者 KH研修生
 場  所  阿南市椿泊町

 10月から、専攻コース2名はそれぞれ堂浦漁協及び和田島漁協で、一般コース3名は北灘漁協(2名)及び椿泊漁協で実践的な研修に鋭意取り組んでいます。
 今回、椿泊漁協で小型定置網やイセエビ刺網漁でインターンシップ研修中のKH研修生から研修の状況が送られてきましたので紹介します。
 徳島県では漁業調整規則の規定により、9月15日からイセエビ漁が口開け(解禁)となります。イセエビ漁は満月廻りは網が見えるのかイセエビの掛かりが悪いのと、資源保護の意味合いもありどことも新月廻りで漁が行われます。今漁期は解禁日以降初めての新月が10月3日(旧暦9月1日)であり、地区によって異なりますが、概ね新月をはさんで前後10日ほどが漁期となります。今回は10月5日に網入れ、翌6日に網揚げの情報でした。今年の漁まずまずとのことですが、サイズが比較的大きいそうです。単価はインバウンド等の影響もあるのか、比較的高値とのことです。操業の無い日は刺網の補修や作成を親方に教えてもらい、鋭意作業しているとのことです。なお、椿泊漁協の小型定置網ではサバフグ類、コモンフグやシマフグ等フグ類もけっこう漁獲されることもあり、KH研修生は今年度の徳島県ふぐ処理師試験を受験するため、10月30日(水)に実施された「令和6年度第1回徳島県ふぐ処理師免許に係る講習」を受講しました。

 漁船に刺網を積んで漁場に向かっているところです。
 漁場に到着し、網を投入するところです。
 翌朝、再度漁場に向かい網を船上に引き揚げます。写真は網にかかったイセエビです。
 破れた個所の補修作業の様子です。8月の研修が早速役に立っています。
 刺網を作成している様子とのことです。
 ふぐ処理師に係る講習会案内。今年度の試験は翌年2月に実施予定とのことです。


〇とくしま漁業アカデミー第8期研修生 研修情報④

 情報提供  令和6年10月26日(土)
 情報提供者 KT研修生
 場  所  鳴門市北灘町 櫛木漁港

 鳴門市北灘町櫛木地区で研修中のKT研修生から、ワカメ養殖の沖での枠張り作業の様子について情報をいただきました。初日は地区の3軒が協力して、養殖枠を3枠張ったとのことでした。順調に作業が行われていますが、地先水温はまだ24℃を若干超えており、ワカメの種糸を挟み込んだロープの沖出しはしばらく後になりそうです。

 養殖枠の資材を船外機に積み込み出港するところです。
 漁場で養殖枠を張っているところです。
 養殖枠を張り終えたところです。船上からは浮子しか見えません。作業は写真のように風が無く凪いでいる日に行いますが、この日は少し潮が速かったとのことです。


〇第二級海上特殊無線技士試験

 漁船に搭載される無線機器は、電波を発信する漁業用無線機及びレーダーがあり、特に延縄、底びき網や船びき網など、海上を広く移動するような漁業を行うには必須の機器となっています。試験に合格し、国家資格である第二級海上特殊無線技士(略称:二海特)の資格を所有すれば、沿岸漁業で利用するほとんどの無線機器を活用することができるようになります。この第二級海上無線特殊技士試験について、10月末までに研修生5名中4名がCBT方式により受験し、うち2名が合格しました。
 勉強に使用した参考書
 徳島駅近くの徳島テストセンターが受験会場でした。
 合格者にはメールで合格通知が送られ、別途総務大臣(四国の場合、窓口は四国総合通信局)に対し免許申請を行います。その後申請者に対し免許証が交付されます。