令和4年8月の漁業アカデミー

8月

 今年の夏は台風の来襲もなく、猛暑日が続きましたが、順調にアカデミーの研修を実施することができています。 早期台風がなく、水温が高かったせいか、出羽島の研修においても港の内外でたくさんのアオリイカの稚仔が浮遊する姿をみかけました。   

8/1~8/3@出羽島赤物延縄実習
 8月1~3日に牟岐町漁協出羽島の皆様のご協力により赤物延縄実習を実施しました。 3名の研修生が延縄当業船に乗船して午前2時に出羽島港を出港し,海陽町沖の水深80~110ⅿの海域でオキアミを装着した800本の針を投入し,キダイ,イトヨリ,ソコイトヨリ,アカアマダイ,ハモなどを釣獲しました。 7時に牟岐町漁協の荷捌きで水揚げ後,出羽島に戻り,漁師さんから延縄の修繕方法を学びました。 出羽島で漁を営むアカデミー卒業生(1,2期生)3名から話を聞くこともでき充実した研修になりました。
 1,2枚目の写真は投縄、3枚目は揚縄、4枚目は水揚げ,5枚目は延縄修繕の様子です。
 牟岐町漁協の皆様並びにアカデミーの先輩の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

赤物延縄縄鉢、餌のオキアミが丁寧に針に刺されている。
船尾からの投縄作業を他船からみた様子
揚縄作業と漁獲物
漁港での水揚げ作業
延縄の修繕作業

8/3@栽培漁業センター見学
 8月3日にアカデミー研修生3名が栽培センターを訪問し,同センターの多田主任からクルマエビ,アシアカエビ(写真①②),アワビ(同③),アユ(同④),餌料培養などの栽培漁業の概要及び海藻ラボ(同⑤)の取組について説明いただきました。 親エビ不足などにより例年生産が不安定なクルマエビ,アシアカエビについても今年は山本場長の指導よろしく順調に生産されているそうです。 快くアカデミー生の見学を受け入れ下さった栽培漁業センターの皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
①生産されたクルマエビ稚エビ
②生産されたアシアカエビ稚エビ
③アワビ稚貝
④アユ親魚池

⑤海藻ラボ見学

8/23@大切なエンジンの講習
 安全かつ効率的な操業を営むにはエンジンのメンテはとりわけ大切です。 阿波ヤンマー株式会社のご厚意により、8月23日に同社において同社舶用営業部の高濱光市郎さんからとくしま漁業アカデミー生2名に漁船エンジンの構造について御講義(写真①)いただくとともに同社工場においてエンジンの構造(写真②)について説明いただきました。 また,今回の研修をお世話いただいた橋井義文取締役から毎日漁船のエンジンを観察し,興味をもつこと及び高濱さんからはオイルと冷却水のチェックの大切さを教わりました。 快くアカデミー生の研修を受諾いただいた阿波ヤンマー株式会社の皆様には心よりお礼申し上げます。
①エンジンの構造とメンテナンスについて説明
②同社工場にて15馬力の新品のエンジンを用いて構造説明。

8/23@大切な航海計器の講習
 安全かつ効率的な操業を営むには航海計器類の使いこなしが大切です。 8月23日に水産会館においてフルノ関西の宇佐美所長と2名の技術者から緯度、経度の測地系や電波の基本的な知識をはじめ、無線機、プロッター、魚群探知機、レーダー、AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)の原理と使い方について教わりました。
 快くアカデミー生の研修を受諾いただいたフルノ関西販売株式会社の皆様には心よりお礼申し上げます。
①はじめに漁業計器の基本について教わりました。
②実際のレーダー、魚探、プロッターを用いて使い方を教わりました。

8/23@実用的な網とロープの講習
 効率的な操業を営むには機敏に網やロープの修繕ができることが大切です。 8月23日に水産会館において網とロープの素材と種類、目合いの求め方、網の修繕方法、ロープの組み込み方法などについて網秀商店の武田秀彦社長に教えていただきました。 参加した2名の研修生ともに器用でとても呑み込みが早く、蛙又結びによる網の修繕やロープの輪作り(アイスプライス)をマスターしました。 丁寧に手取り足取り教えていただいた網秀商店の武田秀彦社長に衷心よりお礼申し上げます。

①網の素材や目合の読み方について教わりました。
②ロープの組み込み方について教わっているところ。
③網の修繕方法について教わっているところ。


8/24@第2級海上特殊無線技師資格勉強会
 漁業アカデミー第6期生は船曳網、延縄、遊漁船などへの就業を希望しています。 これらの漁船では、電波を発信する無線機、レーダーを使用する機会が多く、第2級海上特殊無線技師資格が必要となります。 このため、科学技術高校の御好意により同国家試験に向けて、勉強会を8月24日に実施していただきました。 徳島科学技術高校の記本貴寛先生から法規と無線工学の知識を教えていただくとともに、阿州丸に装備されている無線機、レーダー、AIS (船舶自動識別装置)、レーダートランスポンダ、衛星イーパブなどについて説明いただきました。 お忙しいなか、アカデミー生のために時間を割いていただいた科学技術高校の記本貴寛先生と片岡美貴先生に深謝します。

①徳島科学技術高校コンピューター室にてPC上で過去の国家試験問題について指導を受ける。
②科学技術高校コンピューター室にてPC上で過去の国家試験問題について指導を受ける。
③レーダーシュミレーションを使い、レーダーやAISに関する知識を学ぶ。
④徳島科学技術高校阿州丸のレーダーを使いレーダーやAISの知識について学ぶ。
⑤阿州丸(19トン)


8/25@県庁及び漁連職員による座学研修
 令和4年8月25日(木)には徳島県水産会館4階小研修室において県庁及び漁連職員による水産行政等に関する座学研修を実施しました。プログラムとプレゼンファイル(一部)は下記のとおりです。
① 9:30~10:30 漁業関係法令について(漁業調整課 赤澤係長)



②10:30~11:30 漁業協同組合について(水産振興課 竹内主事)

③11:30~12:00 次世代人材投資(準備型)申請書の書き方について(アカデミー上田課長)             
(休   憩)
④13:00~14:00 資源管理型漁業について(水産振興課 吉田主任主事)
⑤14:00~15:00 漁港・漁場について(生産基盤課 乾主事)


⑥15:00~17:00 漁業就業にあたっての心構えについて(県漁連 大塚主任)